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禁煙に関する情報

たばこ値上げで喫煙率は減る?

結論から言うと値上げによる効果は少ないように思います。

カートン買いに走る方を見ても分かるように、止められない方は吸い続ける努力をされてしまいます。

たばこを吸うのは禁断症状が苦痛となって喫煙者を苦しめるからです。

禁断症状は特に最初は強烈ですから、値上げによるお小遣いへの打撃に勝ります。

ただ、ひとつのきっかけになることも事実です。

喫煙する理由は人それぞれです。禁煙してみようかということを考えることが重要です。

WHOで健康を阻害する因子として喫煙を筆頭原因としています。

昨日以下が報道されました。

「他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の影響で病死する人は、肺がんと心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患だけでも毎年6800人に上るとの推計を、国立がん研究センターが28日発表した。」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100928-OYT1T00989.htm

禁煙の目的は健康です。

健康に対する最大の脅威は喫煙です。本人にも受動喫煙をする家族にも被害は及びます。

一度禁煙してもまた吸ってしまう方はたくさんいらっしゃいます。

禁煙が健康のためであることを思い続ける、一時的に禁煙してもまた喫煙してしまえば意味が無いことを忘れない。

これが禁煙維持の要点です。

運よく一時的にでも禁煙出来たら大きなチャンスです。吸いたくなる機会は繰り返し出現するでしょう。しかし、禁煙する理由を思い出せば乗り越えられるはずです。

禁煙をちょっとでも考えてみたり、プチ禁煙をしたり、禁煙のサイトや本を見たり・・・禁煙のことを思い続ければ必ずいつかは禁煙に成功して持続することができるでしょう。

さあ、あなたも一歩踏み出してみませんか。

タバコが増えるほどIQが低くなる!?

どうやらタバコは知能や認知症にも影響を与えるようです。

未成年や女性の喫煙率は上昇傾向にあり、日本の将来は明るくはなさそうです。

1、イスラエル軍の入隊者を対象に実施した調査では、喫煙者の知能指数(IQ)は非喫煙者に比べて低く、たばこの量が増えるほどIQが低くなることが分かったという。この調査は、テルハショメルにあるシェバ医療センターのマーク・ウィーザー博士らの研究チームが、イスラエル軍に入隊した18歳の男性2万0211人を対象に実施。1日1本以上のたばこを吸う人は全体の28%で、一度もたばこを吸ったことのない人が68%、元喫煙者が3%だった。調査の結果、1日の喫煙量がたばこ1箱かそれ以上の場合、非喫煙者に比べてIQが7.5ポイント低かったという。研究チームは学術誌に発表した論文で「IQが低い若者は、禁煙を目的としたプログラムの対象になるかもしれない」としている。    [ニューヨーク 23日 ロイター] 

2、受動喫煙で成績低下が判明/米オハイオ州の研究チーム 2005/01/04
 米国オハイオ州のシンシナティ子供病院のチームがこのほど、受動喫煙の機会が多いと子供の読解や算数の成績が悪くなるという研究結果を米公衆衛生専門誌に発表した。これまで受動喫煙の知的能力への影響ははっきりしていなかったが、今回の研究で、子供がさらされるニコチンが低濃度でも影響があることが明らかになった。
 研究は、過去に米政府が全米で実施した健康調査の被験者になった6~16歳の子供で、たばこを吸わない約4400人が対象。ニコチンが分解されてできる「コチニン」という物質の血液中の濃度を測定するとともに、読解、算数(数学)、論理的思考力、短期記憶力をテストした結果、人種や性差、経済状態などによる差を考慮しても、コチニン濃度が高いほど読解、算数、論理的思考力の点数が低いことが判明し、また、濃度が極めて低くても影響が現れることがわかった。

3、禁煙で浪人生の大学合格率アップ/河合塾等の調査  2004
 大手予備校・河合塾と名鉄病院(名古屋市)の研究グループによる調査で、禁煙すると浪人生の大学合格率がアップするとの結果が出た。6月5日の日本呼吸器学会東海地方学会で発表される。
 調査は、河合塾の寮に住む男性浪人生の喫煙実態を調べ、喫煙者には禁煙を繰り返し勧めた上で、合否が確認できた59人についてとりまとめたもので、喫煙を続けた11人が計81の試験のうち21の試験に受かり合格率が約26%だったのに対し、禁煙した8人の合格率は約37%と高かった。また、元々たばこを吸わない40人の合格率は約41%と、喫煙を続けた者より約15ポイントも高かった。

4、喫煙するとボケが5倍早く進行する/欧州での調査 2004-03-23
 オランダ・エラスムス大学医療センターなどが欧州で行った大規模調査の結果、65歳以上の喫煙者は、たばこを一度も吸ったことがない非喫煙者に比べて認知機能の低下が平均5倍以上も早く進行することが分かった。研究成果は23日付けの米神経学会誌ニューロロジーに発表された。

400万円で買った病気の体

読売新聞12月11日の記事で70歳男性の活動が紹介されました。現在喫煙による慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)のため、17年前から鼻に装着したチューブで酸素吸入しながら生活している彼は、自分のような患者を減らすべく体験談を通じて喫煙の怖さを訴える講演をしています。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=18188 (2009年12月11日 読売新聞)

喫煙の問題の一つは身体への悪影響が極めてゆっくりと進んでゆくことです。せき、たん等の呼吸器症状は若干出ますが気にされない方のほうが多いでしょう。30年、40年の長いスパンで初めて正体を現しますから危機感を抱きにくいと言えます。 この男性の場合、18歳の時に10本入りで1箱40円のたばこを吸い始め、45年間の喫煙で費やした金を大まかに計算してみると400万円を超えたことに気づき、タイトルがー400万円で買った病気の体ーとなったわけです。
たばこ税について、鳩山由紀夫首相が政府税制調査会への諮問で「健康目的課税」への転換を指示、1箱300円(20本入り)の主力製品の価格は400円に値上げされることになりそうです。たばこ増税への風あたりが強い中、結構頑張った数字と思いました。ただ、禁煙外来を通じて禁煙の難しさを知る私としては、この値上げでは増税効果はあるにせよ、喫煙率の減少には結びつかないと予測しています。

実際に喫煙には以下の余分な出費が伴います。
・喫煙者では生命保険料が増額されることが増えてくる
・COPDの治療の酸素療法は月額8万円弱の医療費が掛かる(自己負担はその3割まで)

これ以外にも喫煙による疾患による治療費が掛かります。循環器・呼吸器の疾患の誘因となり、メタボリック・シンドローム発症を促進し、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎を悪化させ、発がんの原因となります。歯周病、歯槽膿漏の発症が増えて治りにくくなります。結果的に、治療によって医療費がかさんでくることになります。

この男性のように一旦酸素療法を始めれば一生続けなくてはならなくなります。携帯用のボンベは2時間程しかもちませんから行動は制限されます。

11月に藤田まことさんがCOPDの悪化により番組を降板されました。9月には桂歌丸さんが肺気腫(COPD)からの気管支炎により入院されました。お二人ともにヘビースモーカーでした。

禁煙をされるなら早いほどいいのは明らかです。タバコによる病気の多くはは後戻りできない不可逆的なものなのです。

この際、値上げを機に禁煙して、浮いたお金を貯金してみてはどうでしょう。

健康という大きな利息も付いてきますよね。

タバコ1箱が52円!

クリニックの人間ドックには海外からの受診者がたくさんいらっしゃいます

先日、日本でしばらく働いていたという中国人の方が受診されました。

たばこの値段の話が出て驚かされました。1箱130円(10元)で買えると言うのです。しかもそれは高級品で普通はもっと安い52円(4元)とのことでした。

先進国のタバコは前回にご紹介したように700円から1000円前後です。日本、中国、韓国はそれに比べるとタバコは安いのです。

タバコの高い欧米と違うのはたばこ税が安いことですが、これは政府や国民のたばこに対する意識の表れでしょう。物価や税徴収の構造は各国に差がありますが、たばこ税を高くする主な目的は健康のためです。

日本では、たばこの値上げの話が持ち出されると、必ずまずたばこ小売業やたばこ葉生産者への負担、景気への影響が取りざたされます。残念ながら健康への影響はー意図的かどうかは分かりませんがーあまり議論の俎上に乗りません。

日本では2008年に肺がんで7万人の方が命を落とされました。そして、肺がん発症の80%はたばこが原因とされています。

いつになったら日本人の意識は変わってゆくのでしょうか。

タバコ1箱500円時代ははたして来るのか

鳩山政権でタバコ増税の動きがあるようです。1箱500円を想定しているようです。

欧米ではタバコ1箱は700円以上します。一部では1000円を越える国もあります。

先進国の中では日本のタバコは最も安いといえます。原価はあまり変わらないですから日本ではタバコ税負担はとても軽いのです。

高くすれば喫煙者が減るので税収は微増でしょうから、税収のためではなく健康被害の軽減の目的を掲げた方がより賛同は得られるのではないでしょうか。

参照ニュース

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102901001103.html

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc%2Fdomestic%2Ftobacco_tax%2F#backToPagetop

「たばこ1箱500円」は適当?  クイックリサーチ

http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php

葉たばこ生産者の反対運動ーこちらも深刻です

http://www.jtga.or.jp/hantaiiken2.pdf

WHOのデータを追加します。 (6ページのグラフ) 

http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GlobalHealthRisks_report_full.pdf

年間世界で130万人が肺がんで死亡していますが、71%は喫煙が8%は大気汚染が関与しているというデータです。

タバコの消費が減ることでいろいろな業種にダメージを与えることは間違いないでしょう。卸業、小売店、農家への影響は深刻になるかもしれません。

しかし、喫煙率が上昇している若い世代、特に女性と未成年の喫煙人口の増加は、今後の日本に暗い影を落とすことは明らかです。

タバコ税の議論において税収や景気への影響しか言及されないことは残念なことと思います。

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院長 若杉 慎司

若杉 慎司
セミナー講師はこれまで外科を専門としてがんとの戦いに従事し、現在保険による禁煙治療、肺がん早期診断に力を入れている医師です。

日本禁煙学会会員
日本禁煙学会認定指導者
日本外科学会認定医
日本消化器外科学認定医
日本癌学会会員
日本癌治療学会会員
東京都荒川区医師会会員



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